硝子体手術は、眼球内の硝子体(水晶体の後ろにあるゼリー状の組織)に対する手術です。
手術にあたっては、眼球に3か所(約0.5㎜)の小さい穴をあけ、その穴に器具を挿入して行います。
出血や硝子体を切除したり、膜を剥がしたり、レーザー照射をしたりします。
手術は局所麻酔で行い、手術時間は通常20~60分です。創口が小さいので無縫合です。日帰り手術です。
洗顔や入浴は約1週間後から可能になります。
適応疾患は、網膜前膜(ERM)、黄斑円孔、網膜剥離、硝子体出血、糖尿病性網膜症などです。
変視症(歪んで見える)、大視症(大きく見える)、立体感の低下
網膜の黄斑部に膜状組織が張っている状態。網膜から硝子体がはがれる際に、硝子体の一部が黄斑側に残り、そこから膜状組織が形成されると考えられています。
視力検査、OCT(光干渉断計)、OPTOS(超広角走査型レーザー検眼鏡)、Mチャート(直線と点線を見て歪みを記録する)、アムスラーチャート(格子の歪みを見て記入する)
手術が唯一の治療法です。適応基準は定まっていません。黄斑上膜をはがし除去します。
除去しただけでは再発が多いのでILM peeling(内境界膜剥離)を行うことがあります。
硝子体手術では、眼球に3~4か所小さな創口を作り、器具を眼内に入れて行います。15~30分です。
点眼麻酔と救後麻酔を行います。白内障手術と同時の場合は、まず水晶体の濁りをとります。
眼球に3か所の入り口(ポート)を作ります。
ポートから器具を入れ、硝子体や前膜を除去します。
白内障と同時の場合は眼内レンズを入れます。
3ポートをとじます。
本田 恭子 ホンダ キョウコ
日本眼科学会専門医、医学博士。大阪医科大学非常勤講師。
白内障手術 約10,000眼以上、眼瞼下垂手術 約1,000眼以上執刀。